「フランスから生まれた、ぶっちょうずらのヒロイン!」
このキャッチコピーを作った人は最高のセンスの持ち主だと思った。
私をこれほど期待させ、そして裏切らずにラストまで鑑賞させてくれた映画も少ない。
舞台は資本主義の生活から一変して共産主義の生活になる家族を、9歳の、ひねくれた少女を視点に描かれたもの。
主人公の少女は、いかにも資本主義社会から生まれたと思わせる、優越感に喜びを感じ、生意気な性格だが、口から出てくる言葉は正論ばかりなので、大人達との口論は、可笑しくて仕方ない。
私は、この子は最後にどんな結末もしくは決意をするのだろうと、内心ドキドキしながら鑑賞していたが、監督の意図するテーマは、私が予想していた以上に素晴らしいものだった。
最近の子役は、邦画、洋画も含めて、大人に調教された動物のようで、私には作り物の人形に見えてしかたがなかったが、この映画の少女は、大人っぽい顔でありながら、スキッ歯、それでいてプックラお腹が目立って、とても個性的な感じがした。
そして彼女のぶっちょう面! これがビックリするくらい可愛い!
演技も自然体だ。違和感がない。
しかし、如何せん、日本語のタイトルが悪い。
「フィデル」とは、共産主義の象徴、フィデル・カストロのことだとすぐに分かる人は少ないと思う。
字幕スーパーでは、2回しか「フィデル・カストロ」という文字は出ないし、吹き替えでは、カストロの言葉は省略されている。
いっその事、「ぜんぶ、カストロのせい」にしたほうが鑑賞意欲が湧くのではないだろうか?
とは言っても、そこまで思想自体を追求する堅苦しい内容ではないので、日本語のタイトルをつけるのは難しいと改めて思ったりする。
この作品に満足された方には「グッバイ・レーニン」というドイツ映画、「おばあちゃんの家」という韓国映画もお勧めしたい。