本書ではこれまでフルメタルパニックの世界の数々の謎が明らかにされていきます。アームスレイブやその周辺にある存在しない技術(ブラックテクノロジー)、これらを世界に送り出した囁かれた者(ウィスパード)たちがなぜ生まれたのかが明らかになります。ありえない技術、ありえない存在がなぜ生まれることになったのかを賀東招二は逃げることなく真正面から説き明かします。
400ページを超える内容で、かつ緊迫した物語展開の中で謎の説き明かしをやられたので、読後には呆然としてしまいました。本書はこれまでの長編作品とはだいぶん雰囲気が異なり違和感を感じたりもしましたが、それでも目が離せない展開で、私は一気に本書を読破してしまいました。
そして、いよいよ物語は次巻で最終巻とのことです。思えばこのシリーズが始まって10年ととても長い付き合いになりました。シリーズが進むにつれて宗介もだいぶん変わりました。本書の中盤、ヘリの中で話す宗介がテッサと話す場面で「ああ、宗介は成長したな」とうれしく感じました。物語は彼がテッサに語った「希望の結末」では終わらないでしょう。でも、宗介やかなめがハッピーエンドで結末を迎えられることを期待しています。
最終巻が作者あとがきにあったように「付き合ってきて良かった」と思える結末でありますように!