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この本は著者が亡くなる前年の作品である。古書をめぐる話とはいえ、その中にはサスペンス、恋愛、政治など様々な要素が熟練したタッチで盛り込まれている。個人的には戦争や朝鮮に対する著者の思い入れが印象に残った。
たかが本、されど本。
一般の人たちにとってはクズ同然の本が、その道の目利きたち、コレクターたちから見れば、なんとしてでも手に入れたい垂涎の書となるんですねえ。憑かれた人たちの執念が、しばしば狂気的な度合いにまで高まり、善悪の判断さえなくしてしまうところなど、読んでいてぞくぞくしました。
本書は、「ミステリー通になるための100冊/まずは本の謎」の中で、北村薫さんが取り上げていた一冊(『この文庫が好き!』朝日文芸文庫より)。ずっと気にかかっていた作品でしたが、思い立って読んでみて良かったです。一旦読み始めたら止まらない面白さがあったから。
殊に、本の装丁をめぐる第六話のインパクトが強烈! 「ここより先、怪物領域」とでもいう、憑かれてしまった人間の妄執に戦慄させられました。
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