1992年から94年に発表された短編6作がおさめられた新装文庫版。
おせいさんの作品が魅力的なのは、すこやかな食欲と性欲、そして自立したキャリアウーマンなのに、「情にほだされる」オナゴの優しさがあふれているからだ。日常のふとしたことでゆらりと翻る心情もさりげなく描かれ、うまいなあと、いつもながらうならせられる。
そして、軽妙でキレのいい大阪弁と、かわいらしいおんな言葉のあいだに、堅強な「櫛比」、風趣な「命終」のような言葉がぽんと置かれて、改めてその筆力にどきり。
主人公の年齢も徐々に上がってきて、『鬼が餅つく』や『古文の犬』では、ほろりとさせられた。でも、荒々しい河内弁炸裂の『四人め』は笑わずにいられなかった! ぜひ、ご一読を