息子を殺した罪で15年服役してきたジュリエット。彼女の出所の場面から物語は始まる。出迎えるのは妹のレア。彼女の家に身を寄せることとなる。息子を殺した姉に戸惑うレアの夫。養子の娘たちがジュリエットになついていくことをきっかけに最初は衝突するが、ジュリエットの心の温かさに気付いていき次第に心を許していく。服役していたジュリエットが外の社会に馴染んでいく様子を刻々と映し出していく。演じるのはクリスティン・スコット・トーマス。彼女の演技の素晴らしさに愕然とするだろう。悲しきジュリエットの真実。その悲しさを淡々と演じ切る。台詞が決して多いわけでもない。特別な動作があるわけでもない。ただ淡々と表情としぐさで表現する。その重鎮たる演技に目が釘付けになった。
ジュリエットを取り巻く人々。妹のレアをはじめ、その夫と養子の娘たち。言葉を発しない老人。彼女に好意を寄せるレアの同僚、警部。いろいろな人々の力を借りながらジュリエットは一歩一歩前へ進んでいく。明るい出来事もあれば辛い事件も描かれる。そのつど映画の音楽は色を変え映画を彩っていく。まるでジュリエットの心情を表わすかのように。
物語に感動し、音楽に涙が流れ、そして出演者の演技に感嘆する。至高のヒューマンドラマ。ぜひ観てほしい。