『涙は愛のために』でグローリーを支えた義理の兄と姉、ジェイソンとグレイシーの物語。
「ユーモアのあるやさしいラブストーリー」という作者のコメント通り、誘拐事件が絡む波乱の展開にも関わらず、
どこかほのぼのとして心温まる物語に仕上がっています。
わたしは、ヒーローのジェイソンが好きです。
国際的な取引をこなし、大企業を経営しながらも、牧場主としての素朴な生活を何よりも愛するジェイソンは、気性は激しいけれど残酷ではなく、
ダイアナのヒーローにありがちな冷たさや傲慢さ、女性不信やかたくなな思いこみといったもののない、まっすぐで正義感の強い魅力的な男性です。
彼はグレイシーに拒絶されたショックでばかな行動をとり、結果として彼女を深く傷つけてしまいますが、
そんな時でもわたしは彼をどうしても憎めませんでした。
今回も、過去や未来のダイアナ作品から多数のヒーロー、ヒロインが登場していますが、そういった詳しい背景を知らなくても、この作品に関しては
まったく問題ありません。ダイアナ・パーマーを読むのは初めての方も、安心して楽しめます。
ラストの方でちらりとふれられている、ジェイコブズビルでの殺人事件と噂について興味のある方は、『恋するアリス』『危険な恋の行方』をご覧ください。
『恋するアリス』は、作品の冒頭でグレイシーをデートに誘い、ジェイソンににらまれたハーリー・ファウラーがヒーロー。
『危険な恋の行方』は、今回の誘拐事件で活躍したキルレイブンがヒーローです。