スピード感があって、笑いもお約束もあって、感動もあって、設定もよくぞここまでまとめられるなあ〜と感服しきりです! 全巻とおして描き手のメッセージもちゃんと込められているのにそれがまったく押し付けがましくなく、すばらしく頭の回転の良い作家さんの、しっかりと地に足がついた暖かい気持ちのこもった作品といった印象ゆるがず迎えた最終巻に興奮しました。
ひとつだけ不満をいうとすれば、少年・青年漫画ではある意味王道パターンでもある父と子の関係から家族へ想いへとつなげる展開が主であるかわりに、母親の存在がまったく薄いままで終わってしまったことでしょうか。特に主人公(笑)の孝士の母については、孝士が武術を始めるにあたってや、鹿御の能力に目覚めるにあたって、孝士のなかで母親の想い(武術を使わずに生きる)に対しての葛藤がほんの少しだけあってほしかったな〜と思いました。もちろんそれは私の個人的な趣味・嗜好から来る願望ですが。でもラブコメというジャンルや基本となるテーマ(依存からの脱却や共存などなど)からすると省かざるを得ないというか、やる意味がない部分でもあったのでしょうね。それまで孝士はさんざんその手の葛藤を繰り返しては逃げていたわけで、それが実は母親の術のせい(しかも命がけ?の)とかいう話になってもなんだかダークで嫌だし。でも個人的にはほんのちょっとでいいので母への想いがほしかったかなあー。ああーでもお母さんはすでに亡くなっているのでこれは答えのでない話でもあるのかなー。
最後に、大高忍先生、ヤングガンガン編集部さん、スクウェア・エニックスさん、終わってしまったのが寂しいくらいの、とても面白くてかわいくて強い、かっこいい漫画をありがとうございました!こんなに素直な気持ちで笑って涙して楽しめた漫画は久しぶりでした!カバーを外したときのお楽しみもサイコーでした!
次回作も、楽しみにしています!