「伊賀ずきん」「タビと道づれ」 の作者たなかのか先生の最新作です。
自然いっぱいの田舎を舞台にほんわかな毎日。されどただのびのびするわけでもなく、帯にもあるとおり「哲学」をキーワードに毎話不思議な感性から物事をつっついていきます。
主人公の空さんは小学一年生。都会から引っ越してきてお隣さんとなった青年と、彼のペットである亀のプラトンは、空さんと出会います。
空さんの感性に周りの人たち子供たちは心動かされ、ほんのり何かを考え、毎日は過ぎていきます。
また、お隣さんのペットであるプラトンと空さんは会話が出来る様子。プラトンは空さんのことをソクラテス先生と呼び、二人は不思議な関係性のまま日常の中で哲学をします。
「哲学」と言っても堅苦しい話ではなく、「てちゅがく」とルビをふっている通り、空さん、ないし作者が、日常に対してふと思ったことや感じたことを素敵なエピソードとして構成し展開しています。
空「さん」とさん付けしてしまうほどの、空さんの不思議なキャラクター。小学生という設定がなせる創りです。
加えて相方の亀のプラトンも現実を知らない亀らしく少しずれた観点からのお茶目な考えは微笑ましいです。
この二人が醸し出す独特の空気感とてちゅがくには参ります。
毎話感心する話ばかり。キャラクターはみな穏やかでありながらどことなくリアルな人間性も滲んでいます。
そして作品から溢れ出す「幸せ」な空気、雰囲気。
ARIAやよつばと!などが好きな方は読んでみても損はしません。久々に多くの方にお勧めしたいと思える作品に出会いました。