恋愛ものとしてならこの映画の展開は悪くないかもしれません。ただ、私としては、原題の「国境を越えて」、すなわち「愛」よりも、サラ自身を突き動かす、まさにアンジェリーナのような「情熱」を期待していたので、タイトルも恋愛キャンペーンも不満でした。サラを援助活動へと動かしたのは、もちろんニックの存在はきっかけとしては大きかったでしょうけど、根底には、子どもたちを助けたい、自分に何かできることをしたいという純粋な思い、情熱が強くあったと思うのです。しかし、物語の後半では、ニックはエリオットがいなくなりタガがはずれたせいか援助活動というよりは政治活動に没頭し、サラもまた援助活動というよりはニックを求めてという色あいが濃くなることで、援助活動の部分が色褪せてしまうのが、軸足がぶれているようで私自身は残念です。
また、キャッチフレーズの「たった一度抱かれた男に命をかける」は、“国境を越えた恋愛キャンペーン”による半ばウソで、この点も不満です。サラの一途な情熱とニックの強烈な個性が二人を引き寄せ、互いにかけがいのない存在となり、プラトニックな長い期間を経てついに結ばれるのですから。
ただ、ボランティアとして走り出したときに誰もがぶつかる無力感、ふがいなさ、それを乗り越え、信念を曲げず、情熱を失わず突き進むサラの姿にはやはり心を打たれます。たとえ無力感に襲われたとしても、投げ出さず、小さなことでも自分にできることでいいから信念を持って続けていくことが大切であることを教えてくれているように思います。