本書の原題は‘How It Ends’だから、邦題はほぼ直訳である。ただ、最後がどのような様子かというのではなく、そこに至るまでの経緯はどのような過程を踏むかということを解説している。副題の「あなたの死から宇宙の最後まで」というように、地球上の生物に始まり、地球、太陽系、銀河、そして宇宙そのものの熱的死に至るまで、章を追うごとにスケールが大きくなっていく。
著者は天文学者なのだが、生物学も丹念に取材しており、記述もなめらかでわかりやすい。400頁を超えるボリュームだが、決して飽きることはないだろう。ただ、最終章(マルチバースや人間原理を解説)のみは科学ノンフィクションというより思考ゲームになっている。もっとも、それはそれでおもしろく読めた。
残念なのは、特に前半に誤植が多いようだ。増刷の際に丁寧に直してほしい。