映画「ノー・カントリー」で作者のことを知り、いたく興味を持って、本書も読んだ。
「青春小説」、などという通り一遍の評価があったが、そこは期待したとおりの作者のレベルの高さ。そんな単純なタイトルでは括れないおもしろさがあった。
展開も、ある意味意表をついている。
小説「ノー・カントリー」との共通点は、“拘り”ということだろう。このワードは、これからの時代においても、多分に重要となるはずだ。
世間がなんと言おうと、「わが道を往く」という価値観を創造することなくして、日本も日本人も生き残る必要はない。
ところで、なぜ「すべての美しい馬」なのだろうか、と考えてみた。きっとそれは、「馬」という、自然や人間に従順に生きることのすばらしさを訴えつつ、もがきながら、あるいは拘りながら生きていく人間の性(さが)のすばらしさを逆説的に対比させているのだろうか。