桃井和馬さんの作品は熱い。写真家といわれる人は沢山いるが、中でもとても熱を感じる写真を撮る人だ。最初は戦場カメラマンなのかとも思ったが、報道的な側面も持ちつつ、やはり彼は写真家なのだ。最初はASAHIスーパードライのCMにも起用されたり、太陽賞を受賞したりと鳴り物入りで知れ渡った。しかし私はむしろそれ以降の彼の世に出す作品の方が気に入った。今回はキリスト教系の書店からの出版だが、是非多くの人に手に取ってもらいたい一冊に仕上がっている。テレビのドキュメンタリーでも取り上げられた南米パタゴニアの強風にさらされ、風になびくように枝を延ばす一本の木など、本当に印象的な写真が多い。また彼の撮る人の顔は、そこに命があるということを実感させてくれる。文章にも彼の体温が宿っていると感じられる。