「きみ」に宛てられた、親しいことばの贈り物。カバー説明にはこう書かれています。でも、「良い本や言葉、情景」を紹介してくれるいつものエッセーの形のものが多く、(わたしがそう思う)誰かに宛てた手紙の形のものは最後の「手紙39:痛みへの手紙」ぐらいに思えます。そんな風で、ちょっとタイトルからの印象とは違いましたが、それでも、またたくさんの、知らなかった幾つかの言葉を教えてもらいました。
沢庵和尚の言葉。心こそ心迷はすこころなれ、心に心心ゆるすな
フィリップ・ボールの「H2O-水の伝記」
この本ではさらに、長田さん自身の著作のちょっとした説明の文もあり、何冊かの本の分をまとめて読めるので、これは嬉しいかもしれません。
「黙されたことば」について、「わたしにとって言葉は黙るためのもの」とか。
「記憶のつくり方」について、「記憶をよびさます言葉の力」を書いたとか。
そのほか「世界は一冊の本」「詩人が贈る絵本シリーズ」についても書かれています。
長田さんの本を読み終わったあとでいつも思うのは、「次は自分の言葉を捜さなくてはいけない」ということです。またこの本にも後押しをされました。