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すばらしい人間部品産業
 
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すばらしい人間部品産業 [単行本]

アンドリュー・キンブレル , 福岡 伸一
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

「私の問題意識はこの本から始まった」 福岡伸一

★臓器や組織の効率的な売買のために、胎児の生体解剖が行われている?
★凍結されたままの胚(受精卵)に、人権や遺産相続権はあるのか?
★ある調査で、「生まれる子供が肥満体とわかれば中絶したい」と答えた人が11%
★ヒトの遺伝子をもつように改良された「動物」に次々と特許が与えられる
★「背が高くなるように」と、毎日ヒト成長ホルモンを注射する少年
★クローン技術によって生まれた生物には、なぜ「異常体」が多いのか?

血液、臓器から、胎児、遺伝子、はては新種生物やクローン人間までもが効率的に生産され、市場で売買される時代。その萌芽はすでに半世紀前から始まっていた……。
人間部品産業(ヒューマンボディショップ)のリアルな実態に警告を発した歴史的名著に、新エピソードを加筆した改訂&決定版! 福岡ハカセの“原点”が名訳とともに甦る。

人間は「人間部品の商品化」に答えを出せるのだろうか?

内容(「BOOK」データベースより)

血液、臓器から胎児、遺伝子、はては新種生物やクローン人間までもが効率的に生産され、市場で売買される時代。その萌芽はすでに半世紀前から始まっていた…人間部品産業のリアルな実態を警告した歴史的名著に、新エピソードを加筆した改訂&決定版。

登録情報

  • 単行本: 450ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/4/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062162873
  • ISBN-13: 978-4062162876
  • 発売日: 2011/4/15
  • 商品の寸法: 19.2 x 14.2 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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24 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By naichi トップ500レビュアー
機械産業で勝利を収めた二十世紀を「物理学の時代」とするなら、二一世紀は「生物学の時代」であるそうだ。「胎児組織を実験用マウスに移植」、「代理母をめぐって違憲訴訟」、「実験室で異常動物誕生」、「エイズウィルスをマウス遺伝子に導入」、「政府が遺伝子配列に特許申請」など、さまざまな問題をはらんだ見出しが紙面を賑わす。人間部品産業とも呼ばれる昨今のこの実態。本書はその全体像を浮かび上がらせ、その是非を問うた一冊である。

そのタイトルから誤解される向きもあるかもしれないが、本書は生命の商品化を礼賛する類の本ではない。この邦題も、オルダス・ハクスリーの反ユートピア小説「すばらしい新世界」になぞらえて付けられものである。一九九二年に出版された歴史的名著に、新エピソードが追加された改訂版。二十年近くを経て改訂版を出す著者の、終わりなき思想戦である。

◆本書の目次
Part1 人体と部品のあいだ
1 血は商品か
2 臓器移植ビジネス
3 胎児マーケット

Part2 赤ちゃん製造工場
4 赤子産業
5 生命の種
6 卵子の値段
7 胚は人間といえるだろうか?
8 出産機械の誕生
9 パーフェクト・ベビー

Part3 遺伝子ビジネス
10 遺伝子をデザインする
11 他人に差をつける薬
12 人間の遺伝子操作
13 機械化された動物
14 生命に特許を
15 人間性の独占
16 クローンウシをあなたの手に

Part4 人間部品産業との闘い
17 移動機械と神の見えざる手
18 機械論的な「からだ」
19 人間モーター
20 貪欲主義
21 悪魔の工場
22 岐路に立つ
23 「からだ」についての思考改革

Part3までのおどろおどろしい人間部品産業の実態の数々、血液の商品化にはじまり、世界中で行われている臓器売買、公然と横行する精子・卵子の売買、代理母契約、胎児・赤ちゃんの商品化、生体試料の販売合戦、遺伝子・細胞などの特許化など枚挙にいとまがない。そして本書の本質は、そのレポートを受けた後のPart'W以降にある。すなわち、人間部品産業がどのような歴史的背景を経て成立されるようになったのかという考察である。

著者はその原点にガリレオの名を挙げる。ガリレオの信念とは、自然界は、形而上学的な見方や精神論から解明できるものではなく、定量的な測定や厳密な数学的解析を通してのみ理解できるというものである。最終的には原子論へと至るガリレオの哲学は、人間の経験の全体像を、観測可能で、物質と運動のことばで説明できる、ごく限られた部分に置き換えた。こうして生命を解体し、機械論的な姿に整形し直された新しい科学のもと、デカルトによる動物の機械論的解釈、ラ・メトリーの人間機械論が結実し、人間部品産業が誕生する素地を生み出したということなのである。

また、「神の見えざる手」に代表される自由競争主義、自由市場原理も、人間部品産業のもう一つのエンジンである。つまり個人が自らの欲望を何物にも妨げられるずに追求することによって、意識するしないにかかわらず、公共の利益を生み出すとされる考え方である。この言い分に則ると、人間部品が自由に取引されることによって、より多くの臓器がより安く供給され、需要のあるところに公平に分配されるということになるのだ。

これらマイケル・サンデルの「Justice」にも出てきそうなジレンマを生み出すお題に対して、著者のスタンスは明解である。それは、商品の定義が、売買を目的として生産された部品であるということにある。人間自身を形成するものや、人間の労働は、決して売買を目的として生産されたものではないということなのだ。

生命の商品化というテーマに対して、前時代の思想史的な見地や、隣接する市場経済としての見地から分析し、人間部品産業の中に、文明の罪を見出す考察は実に鮮やかである。さらに最終章の「からだ」についての思考改革に関する言及も見逃せない。これからの「からだ」に対する向き合い方として、共感と無償供与というキーワードを提示している。ここに、本書が今このタイミングで改訂された、大きな理由が隠されているような気もする。ソーシャルメディアの台頭で注目されている共感型社会、Free経済がもたらす新たな価値として、関連付けてみながら考えてみるのも有意義なことであるだろう。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 酒式 VINE™ メンバー
「できるかどうかってことに囚われて、すべきかどうかは考えなかった」・・・「ジュラシック・パーク」のイアン・マルコム博士のセリフ。

従来なら諦めていたことが技術的に可能と知らされて、果たして本当に幸せになったのか。希望はときとして絶望よりタチが悪い。全員が技術の恩恵を授かるわけではないのだ。「金」であれ「運」であれ、その差を人はどう納得し受け入れるのか。

また、技術は必ずしも善良で賢明な人間の手によって使われるものではない。徹底して「ビジネス」としてしか物事を捉えられない人間がいくらでもいるのだ。

血液、臓器、胎児、人工授精、遺伝子、クローンなど「人間部品産業」にまつわる、タチの悪い冗談としか思えないような実話だけでも読み応えがある。
その「愚」の原因を効率至上主義・市場主義にみる批判の流れ、そしてわかりやすくまとめられた問題提起、筆者のスタンスは終始一貫している。
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同書は1995年に化学同人より刊行された『ヒューマンボディショップ』を改題、修正し再出版されたもの。
700年以上前、ローマ教皇インノケンティウス三世が三人の健康な少年の血を受けたところから始まり、1951年の人類初めての臓器移植、近代の遺伝子技術など商品としての人体の歴史を俯瞰するための教科書である。
著者のアンドリュー・キンブレルはアメリカの弁護士だ。
同書には事件を取り扱った例が多い。

例えば、B型肝炎の抗体をもつスラビンはその希少性を元に自らの血を470ccあたり6000ドルで販売する会社を設立した。

ブエノスアイレスのモンテデオーカ精神衛生研究所では、いなくなった患者は脱走したと家族に伝えられた。しかし、家族からの訴えで捜査を受けたこの研究所は1976年から1991年まで1400人以上が脱走したことになっているがその同数が死亡している。病院長を含め関係者11名は逮捕された。

1989年の「キャサリン ワイコフ事件」リームとビバリー夫妻が赤ちゃんブローカーのワイコフを通じて代理母ストートスキーに代理出産を頼んだ。契約出産の直後に夫妻は離婚。その後、生まれた子供の養育権を争って代理母と夫妻の三つ巴の法廷闘争が始まる。代理母は経済的理由のため取り下げ、最後は夫であるリームが勝訴。判決の数時間後に前妻のビバリーのアパートに訪ねたところを撃ち殺された。前妻のビバリーは懲役11年を言い渡された。

とにかく、ケースがすさまじい。

ちなみに、同書は福岡伸一氏が初めて翻訳した本だ。
原著を読んだ際に出版社にお願いするがこの手の本は3000部程度しか売れないからと断られ、自分で翻訳したのがきっかけらしい。福岡氏にとって文章について、そして生命について考えるようになった一冊だという。
福岡ファンには是非お勧めしたい。
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