静かな口調で早春から晩夏までのバカンスのようすが語られる。
子どもたちを連れてやって来たペノブスコット湾に浮かぶ小島での暮らし。
どの情景も、この地に対する愛情に満ちている。それは、たまさか短期滞在者の
目線であるかもしれないが、お気に入りの島でのすべてのことを楽しみ、
謙虚に自然に向きあう態度は好ましい。
子どもたちに、美しい自然のなかで遊び、驚き、体も心も全開で見て感じてほしい
という親の願いが伝わってくる。
霧の朝。夏のさかりのボート遊び。夜の海に映る星影。そして嵐の驚異。
みんなみんな、海とともにある自然の不思議も怖さも描写する。
太陽のまぶしさも、凪いだ海の色も、嵐にしなう木のさまも、うなる風の音も。
時はどんなにすばらしい時間をものみこんでゆくのみ。
けれど、この二人の小さな娘たちに確かな贈り物をしたのだろう。
そして、作者マックロスキー自身も、この物語のように、娘たちとともに過ごす
時間を「すばらしいとき」として、とどめておきたいと願ったのにちがいない。