小学4年生のつんちゃんの家には、ママの妹のるーちゃんがたまに遊びに来ては絵を描いて行きます。
るーちゃんはつんちゃんにとっては、叔母さんにあたるのですが、おばさんだなんて全然似合わないような素敵な人。
つんちゃんのママにいわせると、「仕事につかないグータラ娘」であるるーちゃんは、学校から帰って来たつんちゃんから、学校であった事や学校の友人の話を聞くと、その後で似たような、でも全く別のお話を聞かせてくれます。
似ているのだけど、違う。
表面的な外観は一緒なのだろうけれど、その内情はつんちゃんの予想と、るーちゃんのお話の結末とではまるで違うお話になるのでした。
るーちゃんの1週間の滞在中に、つんちゃんは、物事と言うのは、見る方向を変えれば全く違う様子を呈するものだし、結末でさえ変わってしまうこともあるという事を、るーちゃんの不思議で素敵な話に学びます。
実際的で現実的なママと、自由人的なるーちゃんの価値観の対比も、また、ママのことも、発言だけでなく行動を見ると違う感情が見いだせたりすることも、見事なまでに自然に織り込んであります。
物事を多角的に見てみる重要性を、人それぞれの価値観の尊重の重要性をこの本は、押し付けがましくなく、優しく教えてくれます。
この本を読むことで、それらを身につけた子供達は、学校内での友人関係において、偏見や誤解、イラッとしてしまうこと等が極端に減るのではないかと思います。
かといって、道徳本等の類ではなくあくまで普通の物語ですから、とても読みやすく純粋におもしろいのです。
著者特有のふんわりしたなんともいえない独自の雰囲気も健在です。
小学校中学年くらいの、学級という小さな社会の中でようやく人間関係について深く学ぶようになる、丁度そのくらいの歳にぜひとも読んで欲しい本です。
なので、図書室ではなく、教室に置いておいて欲しい本だと思います。
漢字は「黄色」「線」「頭」「遠い」などにはルビが振ってありませんので、小学校2年生くらいからでしょうか。
でも内容は、相手の事をおもんばかれる位の歳(3〜4年生以降)向きだと思います。
この著者の本はどれも、物語として楽しいだけでなく、自然と備わって欲しい価値観、でも現代においては、自然に備わるには高度になってしまった価値観を自然と織り交ぜてくれている内容の本が多いので、是非他の本も手に取って欲しいと思います。
本当は親である自分が日常でさりげない言動によって教えてあげるべきなのでしょうが、それが上手くできないお母様は、このようは本をお子さんに与えるのも一つの教育になるのではないでしょうか。
「しなさい!」と言われても入っていきませんが、本から学ぶという、受け取るも受け取らないも、感じるも感じないも、変わるも変わらないも、あなた次第。というようなスタイルの教育も、私は効果が高いのではないかと思います。