整理に関する本は多いが、この本はかなり異色だ。
まず、いきなり「片づけなければ整理はできない」と始まる。
よく「片付けと整理は違う」という「整理評論家」もいるし、
実際、表面は片付いているが引き出しの中はグチャグチャという人は多い。
もちろん、その逆もいる。
しかし著者は、「まず片づけろ」という。これは現場目線の考えだ。
いくら本人が「オレの頭の中ではわかっている」と言っても、
見た目が雑然としていると他の人はさわれない。
一人で誰にも邪魔されずに仕事している人ならともかく、
普通のビジネスマンはそうではないだろう――というわけだ。
次に「頭の中を整理する」と続く。
そのあと「時間整理」「机回りの整理」「情報整理」……と続くのだが
それらもまず「頭の中」が整理されてのことだと強調するのである。
「だって、心が整理できていると仕事も楽しいでしょ」
というわけだ。
時間整理や机の整理にしても、小気味よいぐらいにアナログである。
そしてきめ細かい。ペン立ては四角がいいとか、メモは手書きがいいとか……。
もちろんではデジタルデータの整理にも触れられるが、かなり付け足し的で、
手書きメモをどう整理するか……といったことが細かく語られる。
机の上が雪崩状態になっているような人は、まずはさらっとでもいいから一読をお勧めしたい。
本人は「私は整理が下手だった」と言っている。その著者が現場で揉まれながら
体得していった整理術が本書だろう。
スマートさはないが、泥臭くて、著者の「哲学」さえ感じられる。