著者の言うとおり、近年では実験化学者にとっても理論計算はなくてはならないものになっています。
しかし、実験するので精一杯、量子化学計算をじっくりと学ぶ時間はなかなか取れません。
そのためにブラックボックス的に計算利用しがちです。
そこで、本著の登場です。
各項目はQ&A形式で簡潔にまとめられており、
必要最低限のバックボーンはもちろん、
励起状態・遷移状態・溶媒相互作用などの実験化学と結びつきの強い計算の手法、
コツのようなものも記述されています。
計算をしたい実験化学者は手元においておきたい一冊です。
1点だけ残念なのは、GAMESSとGaussianので例示が併記されていて、
片方しか使わない人にとってはもう一方の説明がうるさいところでしょうか。
双方のユーザーに対して十分配慮されているということになるともいえますが。
Gaussianユーザーとしては満足の一冊です。星4つ