楽しかった!あっという間に読み終わりました。
主人公は駆け出しの小説家の瑛斗。物語は瑛斗とデビュー当時からの担当である井上が、喫茶店で打ち合わせをしているシーンから始まります。
淡々と打ち合わせをする井上と、何やら落ち着かない様子の瑛斗。
それもそのはず、瑛斗はつい一週間前に「うっかり」井上に告白してしまい、直後に玉砕という非常にヘビーな状況下にあり、そのショックが癒えぬままに何気ない井上の言葉や仕草にすら滑稽なほど動揺し、「気持ち悪いって思われた」「今の態度、絶対に引かれた」などと悶々としているわけです。
終始受けの瑛斗視点でお話は進んで行きますが、この瑛斗、呆れるほど内向的でおどおどと頼りない性格の持ち主。
告白後、自分に向けられる井上の言葉をすべて後向きにとらえてしまい、ぐるぐると思い悩む瑛斗は正直鬱陶しいくらいだけど、何でか無性に可愛く思えてしまう。そのあまりのネガティブすぎる思考についつい笑ってしまうほど。
独りよがりな傷心ぶりが多少気にはなりますが、瑛斗の片想いの切なさがそこかしこに散りばめられていて胸がキュンとします。
そして何より二人が急接近するきっかけとなる井上の娘の萌々香。この子が非常に良キャラです。
五歳児の無邪気な行動が、井上と瑛斗に仕事以外でのつながりをどんどん増やしていく。その過程に無理がありません。
特に彼女が描いた「パパの××」の絵のくだりは大笑い。作者があとがきで「モザイク絵!」と連呼するそのシーンは是非読んでいただきたいエピのひとつです。
あと彼女のセリフがすべてひらがな表記なのが個人的に萌えました。
たどたどしい感じがうまく表現されててすごく可愛い。
作品のタイトルもひらがなの「すき」ですよね。
漢字の「好き」よりもこの作品の優しい雰囲気に合ってます。
日本語って素敵だなあ。
もちろん最後はハッピーエンドで、読後感も爽やかです。
ただひとつ難点があるとすれば、井上の瑛斗への告白。
読んでるこちらのテンションが一瞬引いてしまうほど唐突というか、瑛斗のどこが好きなのか、そのポイントがちょっとわかりづらい。
後からもう一度その部分を読んで、納得はできましたが。
でも告白後の瑛斗へのラブっぷりが半端ないので、ま、いいか、と(笑)
全体的に軽い感じですっきりとした文章。長さもちょうど良く非常に読みやすいです。
前述のとおり多少気になる部分があるにはあるのですが、ここは萌々香ちゃんのキュートさでカバーということで、☆は5つ!