はじめの10巻ぐらいまでは抜群にいいです。その後は残念ながらマンネリと言わざるを得ません。画風もとげとげしくなり、どうも世界観が狭まる感じがします。
しかしはじめのほうには、得体の知れない懐かしさがあります。私は1980年代の生まれでこのじゃリン子チエの時代とはずれるのですがなぜかそう感じるのです。
関西では有名な作品なので今更言うまでもないかもしれませんが、舞台は大阪の萩野茶屋のあたりで、そこで生きる少女チエの物語です。テツというメチャメチャな父親と二人、ホルモン焼き屋で生計を立てています。母のヨシ江は家を出てしまっています。一般にはこのテツのケンカとバクチ三昧の生活を以ってこの作品を「おもしろい」と理解している人が多いのですが、私にとっては、テツのチエとヨシ江に対する底知れぬ愛情に満ちた「あたたかい」作品です。小さな人々の力強さがこの作品にはあります。