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主人公ちはるの静かな孤独感と、それでも毎日生きている実感とが、ざらっと、でも嫌味なく伝わってくる、大人のための漫画です。キャラクターたちの表情や、お互いとのやり取りがとてもリアルで、心地よいです。
学生のころは、何となく読み飛ばしてしまいましたが、自分で家庭を持ってから読み返すと、怖いくらいリアリティを感じました。それでも読後にネガティブな感じではなく、爽快感を残すのが、この漫画のすごいところです。
こんなふうに書くと、「しんきらり」が結婚後の生活を悲観的に描いていると思われそうですが、そうじゃありません。簡単に「幸せ」なんて一言じゃいえない現実が描かれているのです。母としての幸せとか、子が親離れしていく寂しさとか、結婚前には気付かなかった自分が自分を手に入れる解放感とか、夫婦が長く平和にという望みがささやかな夢なんかじゃなくて激しい夢だということに気付くこと、などなど。
結婚していない女性だけじゃなく、男性にもお勧めです。これをたくさんの男性が読んで、日本に「いいだんなさん」が増えたらいいなあと思います。それから、もちろん、結婚している方々も楽しめる本だと思います。最後に主人公は「わたしは自由だったんだ」と言います。もし、「妻」という立場に憤りを感じている方がいたら、この本を一読してみてください。きっと何かを与えてくれると思います。
世の中の漫画や物語は、結婚までを描いているものが多いですが、実はその後の新しい人生だって、結婚前に負けないような心の葛藤があるんですよね。「その後、お姫様は幸せに過ごしましたとさ、おしまい」なんて訳にはいかない「その後」の世界を知ることができ、いい勉強になりました。
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