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等身大の高校生がテニスというスポーツを通じて、精神的に成長する姿を描く本作。
確かに漫画的な非現実さは存在する。
けれど高校生という思春期特有の不安定や、テニスというスポーツが持つメンタル面の影響力、というのは今までの漫画にはないリアルを伴う。
第二部完となったこの19巻では、インターハイの準決勝が行われる。
宿命のライバル・佐世古との戦いに敗れた留宇衣と、雷殿と死闘を繰り広げる伊出。
この戦いで二人が得たものは何なのか。第三部での二人の成長が楽しみになる。
さらに、ひなこをめぐる佐世古と伊出の恋模様も気になるところ。
子供と大人の狭間で、日々成長していく彼らはまぶしい。
全員がなにかを失くしていたり、欠けたものを埋めようと必死に成長している。
天才(かもしれない)伊出のプレーヤーとしての才能の開花にも期待したい。
ともかく、羅川氏の努力の結晶を感じさせる出来なのだ。
観客の一喜一憂、対決する選手同士の心理、手に汗握る雰囲気、さらにはそれらを的確にページの中に組み込む構成力。
そして、ここぞと言う時にドドンと出てくる、迫力のあるコマや、印象的な台詞。
これだけを組み込んで、試合に無駄な描写がないのが凄い。スムーズに、そしてエキサイティングに展開が進んでいき、さらには最後まで勝者が読めないので、目を奪われずにはいられない。
羅川氏が書きたかったもの。彼女が登場人物に得意技を持たせても、必殺技は持たせなかった理由。
十八巻から続く、インターハイの準決勝、決勝は、読者としてそれに感謝せずに入られなかった。
スポーツマンガ家としての構図力、構成力も熟練期に入り、心理描写はもともとお家芸。
今後の羅川氏には、期待する事しか出来ません。
未解決の雷殿の悩み、滝田の過去の露呈、そして佐瀬古とひな子の中の急進展(ホント、凄い進展だ;)と、メンタル描写を好む人にも納得、そして期待させてくれる巻です。
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