大映末期の作品ということで、増村保造監督も自身の意に反して、このようないかがわしい作品しか撮れない時期だったのかと思っていましたが、なかなか見ごたえがありました。
渥美マリ主演の前作「でんきくらげ」のように、非情な仕打ちを受けながらもたくましく生きていく内容と勝手に考えていたら、非情なことをする側の内容で意外でしたが、これが不思議なことに心地のよいエンディングとなっています。渥美も前作より、のびのびとやれているようで、とても魅力的です。
ダメおやじ役の玉川良一がだまされる場面では、かつての三面記事的テレビ番組「ウイークエンダー」の再現フイルムを観ているようで、悲しくなりました。
玉川以外にも、前作に引き続き、川津祐介、根岸明美、平泉成が出演しています。平泉成は、現在はシリアスなドラマやバラエティで幅広く活躍していますが、当時かなりシャープでカッコ良く、こわもての人だったのが良くわかります。 ラストシーンは、新宿の現在の都庁付近から撮影されているようで、建設中の京王プラザが映っています。そのビル以外は、周りに何もないので、当時(映画公開は1970年)はこんな風景だったのかという興味もわきました。40年近く経つと、人も街もずいぶん変わりますね。