内容(「CDジャーナル」データベースより)
広いレパートリーを誇るオッターの、バロック歌曲集。有名曲から、ちょっと珍しい曲まで凝った選曲が、彼女らしい。オッターの透明な声と知的な歌唱が、個々の作品の美しさを十全に引き出している。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
フェラーリの「恋人たちよ~」が始まった途端、あまりにも激しい感情表現に思わず感嘆の声を発した。凛とした舞台姿にふさわしい端然たる歌唱を聴かせてきたオッターとは思えぬ情念の勝ったアプローチである。たしかにイタリアのバロック歌曲には胸の内をあらわにした歌詞が多い。とはいえ、カッチーニの「では私は~」などこれほど思い入れを込めて大きい身振りで歌うからには、最近の流行というだけでは片付けられない信念があるのだろう。チェンバロやテオルボによる簡潔な伴奏を背景に情感たっぷりの歌が綴られていく。素朴な譜面の裏に隠されたバロック本来のダイナミックな芸術様式に即したスタイルと言ってよい。パーセルの劇音楽における情緒豊かな感情描写や溌剌とした流動感など、数々の舞台経験を積んだ現在の彼女ならではの確信に満ちた歌唱である。声に昔日の張りがなくやせて聴こえるのが惜しまれるが、オッターが切り開いた新境地に惜しみない賛辞を贈りたい。 (山本義彦) --- 2005年05月号