この作品の主人公はたしかに「暗い」かもしれませんが・・・
でも個人的に、崎谷さんの書く「暗いキャラ」って嫌いになれないんです。
いつもどこかで共感できるところがあって、(私自身ネクラなのかな・・・)
今回の作品でも、主人公がひどいことをしても、読んでる自分だけは主人公の味方になってる気持ちでした。
それに、薙が大地にからんでしまう・・・ってところも、ちゃんとそれらしい「落ち」が
あるところが、主人公がただの嫌なヤツに成り下がってない理由なのかなと思います。
その「落ち」がこれまでのストーリーの流れを断ち切る(?)ような部分があって意外でした。
受けと攻めがすんなりくっつかないところが、月並みなBL作品とは一線を引いていて、
真剣に悩み、泣いて、結論を出そうとする主人公の姿が細やかに書き出されています。
そしてこの作品も、さわやかで切ない、ほろ甘くて少し物悲しいようなテイストが
この海シリーズにぴったりマッチしていて、本当にそこは上手だなぁと下を巻いてしまいました。
細かく見ても、シリーズ全体で見ても、なかなかの秀作だと思います。