敬愛する歌い手友部が文を書いた絵本。
しいちゃんは自分がもう一人いればいいと思っています。だって、それならいつも一緒に遊べるから。
春、河原で遊んでいるしいちゃんのところに、黒い服にマスクをしたおばさんが近付いてきて、二人は一緒に遊びます。花粉症だそうです。おばさんはまるでしいちゃんのことをおとうさんやおかあさんよりよく知っているかのようで、とても楽しい。おばさんの声も姿もしいちゃんいしかわかりません。
そうして春になるとやってきていたおばさんはしいちゃんが十七歳になったとき、タンポポの綿毛になって飛んで行きました。
もう大丈夫。しいちゃんはそれから色んな旅を経験し大人になります。
月日は流れ、花粉症になったしいちゃんは春にマスクをして、ひとりぼっちで遊んでいる女の子に声をかけるのでした。
友部の、ユニークな世界の切り取り方は未だ健在。でも歌よりちょっと弱いかな。
沢野ひとしが良い仕事しています。