七年の奉公をおえた「ハンス」は、お給金として「きんのかたまり」をもらい、旅に出ますが、途中で金が重たくなってきて……。
いわゆる「とりかえっこ」のお話ですが、金のかたまりが、ハンス自身の希望で、馬、牛、ぶた……と、どんどん、世間的に価値の低いものへかわっていくので、なんだか心配になってきます。でも、子どもは、次には何を、どんな理由でとりかえっこするのかに、興味深々のようす。
最後に、すっかり身軽になったハンスは、「ぼくくらいしあわせもんは、てんかにいないや」というのですが、じつは、ホフマン再話では、旅の目的地が最初に書かれていないので、結末の感激もひとしお。原作より、もっとシンプルになっている分、本当の自由とは、本当の豊かさとは?ということを、考えさせてくれます。
余白を思いきってとった絵に、ページの下端に、長い一行をつなげたように書かれた瀬田さんの文章も印象的な、短いのに、とてもすばらしいお話。