ルソー作曲の「むすんでひらいて」を題材に、その歌詞の持つ意味の深さを「禅」的に解いて行きます。
現代社会において、生活は便利になってきてるのに「しあわせ」を感じません。
それは、何故か?と問います。
その要因として、「しあわせ」が西洋的な「幸福」になっているとします。
それに対し、古来日本にあった「しあわせ」は「仕合わせ」で、それは「概念や思い込みを結びやすい我々の頭やこころをまずひらいて、そして相手や状況に応じて『仕合わせる』こと」だとします。
こうした臨機応変な対応が出来ることに、かけがえのない満足感を感じ、そこに「しあわせ」を感じるのだとします。
そこには、当然、自己変革や自己の再発見があるでしょう。
こうしたことの説明が、宗教的或いは哲学的に説明されるのですが、もともと講演の文章を纏めたと言うこともあり、解りやすい言葉で解りやすく説明されており、誰でもがそれなりに理解出来ます。
ただ、その語っている内容は深く、その神髄まではとても辿り着けませんが、それでも、こうした宗教的な「教え」が、あるレベルまでは深まったような気がします。
もちろん、この本の目的は、現代社会の抱えている極度に規格化された社会に対する問題提起であり、「自己責任」を余りに追求し個々人の孤立化を助長している社会への問題提起でもある訳で、そのことについて、もう一度考えさせてくれる優れた作品だと思います。