アルメニア出身の映画監督。長編は4本しか残していないとのこと。本作発表後、いわれの無い罪で投獄されました。これに対し、フェリーニ、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、トリュフォー、ゴダールといった映画人が抗議をし1977年に釈放されたそうですが、その後も(旧ソ連時代)軟禁されるなど苦労の連続だったようです。
アルメニアの詩人『サヤト・ノヴァ』へのオマージュのようですが、最初に次のような字幕が出ます。
「18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの伝記ではない」
「詩人の幼年時代〜死」と8章に区切られ順に字幕が出ます。ストーリーを追うというより、次々に差し出される美しいイメージを受け止めていけばよいのだと思います。エキゾチックな音楽(アルメニアの民族音楽だと思います。)が流れ、時々短いことばと字幕が入ります。動く絵画のような、あるいは演劇性の強いダンスのような、とにかく(私にとっては)初めて見る作風でした。
そして、作品のイメージは美しいだけではなく、とてもピュアで健やかで悠久の時を偲ばせるものでした。宗教、習慣などが異なっても、底に流れる何かが私たちともつながっていると感じられ、画面から目が離せなくなりました。心がリセットされます.....。(この色彩の美しさ!!他にちょっと、見当たりません。)
※「ざくろ」は、アルメニアでは、特別な『聖なる果実』なのです。(ワインもありますよ。)
※山羊を捌くシーンに「流血」が見られますが、表現としては穏やかなものです。私たち日本人が魚を捌くのとなんら変わりのないものとして受け止められました。普段、映画の「流血シーン」は人一倍苦手な私です.....。