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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
さらりとした恐怖が心に沁み込む知られざるアメリカ女流作家の怪奇小説アンソロジー。,
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レビュー対象商品: ざくろの実―アメリカ女流作家怪奇小説選 (単行本)
世界中で繁栄した怪奇文学の歴史に名を残す英米女流作家8人の作品を厳選して贈る傑作選集の第2巻アメリカ編です。本書収録の8編は大半が日本では知られていない方の1890年代から1930年代に発表された作品で、一読するとどうしても古色蒼然とした印象は否めませんが、今時の刺激の強すぎる血みどろのホラー小説とは違って、さらりとした恐怖が却って後からじわりと心に沁みて来る古風な味わいの魅力に溢れています。『揺り椅子』シャーローット・パーキンズ・ギルマン著:新聞記者のおれたち二人は「家具つき貸間」の広告を見つけて移り住む。やがて、時折ふっと姿を見せる揺り椅子に座って前後に揺れる金髪の少女が恐ろしい不幸を呼び込む。『壁にうつる影』メアリー・ウィルキンズ・ギルマン著:五人兄妹の次男エドワードが死んで、兄ヘンリーと三人姉妹が彼の屋敷に集まる。四人は彼が死んでから夜になると姿を現わす得体の知れぬ壁にうつる影に怯える。結末の理由がつかない凶事に慄然とします。『幻覚のような』エレン・グラスゴー著:看護婦の私は精神を病んだマラデック夫人の世話をする為に一家に雇われる。やがて、家に着いてすぐに小さな女の子を見た私は、どうやらその姿が自分と夫人以外には見えないらしいと気づく。偶然とも怪異とも解釈出来る結末の処理が見事で背筋が凍ります。『ざくろの実』イーディス・ウォートン著:先妻を亡くした夫と再婚した新妻シャーロットは、昔から幾度も夫宛に届く差出人不明の手紙に苛立ちが募る。やがて彼女は夫を厳しく問い詰め、和解して久々に二人で旅行に出ようと約束し安心するが、その当日に夫が忽然と失踪してしまう。物語は途中で幕を下ろしますが、恐らくこの世の物でない無慈悲な結末が予想されます。超自然的な得体の知れない存在が出現し悪意は感じなくても、いつの間にか死の影が忍び寄る無気味な暑い夏にぴったりの作品集をお楽しみください。
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