神社の息子の恭太郎、お寺の跡継ぎ孝仁、牧師の息子で神学生の工(たくみ)。宗教法人の息子に生まれた高校時代からの親友同士3人組が巻き起こす、ほのぼのとした笑いの数々を描いた人気コミックの第3巻。霊感がまったくないのに、幽霊が出るらしい部屋のお祓いを頼まれた恭太郎の奮闘を描く15話。棚経のため檀家を回る孝仁に降りかかる、「おもてなし」と言う名の艱難辛苦を描いた16話に続いて、17話から20話まで、海辺の教会に伝道実習にやってきた工と、彼に呼び出されるように遊びに来た恭太郎と孝仁の物語が描かれる。(しかもこのエピソードは完結せず、次巻に続くのだ。)
宗教がらみのマンガと言えば「聖☆おにいさん」が有名だが、あちらは神様仏様を主人公に、聖書や仏典その他の伝承を元にした作品。あれはあれで面白いのだが、現実に我々の周囲に存在する「キリスト教」や「仏教」との接点は存在しない。「聖☆おにいさん」には教会も牧師も神父もお寺も僧侶も出てこないのだ。そこは作り手の側が、意図的に避けている点だろう。現実のキリスト教や仏教が登場して、イエスやブッダとからむことはないのだ。逆に「さんすくみ」は各宗教の経典や教義より、それぞれの宗教が持っている文化や習俗にのみ焦点を当てている。作品の中に神様や仏様やイエス様が登場することはない。これもやはり、作者が意図してのことだと思う。
今回の3巻は主人公たちが旅行に出かけてしまうので、実家の家業にまつわるいつもの話が軽めになっている。そのぶん三者三様のキャラクターを重視したエピソードが多く、むしろこの方が漫画作品としては面白いのだ。