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さんさん録 (2) (ACTION COMICS)
 
 

さんさん録 (2) (ACTION COMICS) [コミック]

こうの 史代
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

妻に先立たれた男、参平に遺された一冊の分厚いノート。それは、妻・おつうが記した生活レシピ満載の『奥田家の記録』だった。主夫として第二の人生をスタートさせた、さんさんの未来は、ほろ苦くも面白い!『夕凪の街 桜の国』で大ブレークの著者が放つ、ほのぼのコミカルストーリー!

登録情報

  • コミック: 142ページ
  • 出版社: 双葉社 (2006/6/28)
  • ISBN-10: 457594016X
  • ISBN-13: 978-4575940169
  • 発売日: 2006/6/28
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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50 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
参平の妻、鶴子が事故死した後に遺した家事ノート。いままで家事を

することのなかった参平は、鶴子(案の定、参平は「おつう」と呼び

かける)からの「おくりもの」を使って家事をする。

それによって参平は、同居することになった息子夫婦と孫娘に「おく

りもの」をする。家族とはこのように無償の愛をやりとりするものだ、

と、作者は喝破している。

1巻とは対照的に、この巻では登場人物がダイナミックに行動する。

孫娘の乃奈は恋をする。主人公の参平と若い女性仙川の関係はぐっ

と近づく。そして息子夫婦は……。

こうの史代作品としては驚くほどきわどいテーマも扱いつつ、それで

も安定して読ませるのは、この作品が冒頭に挙げたようなきっちりと

した世界の構築をもっているからに他ならない。ノートを狂言回しに

する巧みな構成で、家事を通して市井の人のささやかな幸せと悩み、

世代を超えての受け継ぎという「愛」のテーマ、そして2巻では成長

と旅立ちを加え――すなわち「生きる」というテーマを、これほどの

画力と構成で見せ、しかも笑わせながら見せる漫画家を他に知らない。

また、男やもめの参平のセクシャルな面を、仙川とのエピソードで

引き出しているのも見逃せない。仙川を鶴子の生まれ変わりのように

見せたり、そう見せなかったり。芝居のメフィストのように振る舞わ

せることで、生臭さを消しているのは、いかにもこうの作品である。

こうの史代は、『夕凪の街 桜の国』以上のスケールをもつ作品を、

日常のミクロの視点からいくらでも描ける作家であることを証明して

見せた。これは金字塔的作品である。感想文が固くて申し訳ない。
このレビューは参考になりましたか?
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
近代兵器による惨禍の余波について全く新しい角度から意表を衝く形で完膚なき完成度の作品となった『夕凪の街 桜の国』。そして、ユーモア漫画としてはこれまた現代マンガの先入観から自由に、いわば連綿と続く私たちの文化が生んだ人々の最も美的な面と、同時に対極の怖い面の両面を描ききった『長い道』にこれまた衝撃を受け、こうの氏は絶対無視できない現在マンガ界のひとりとなった。−自分の中で。

その筆者の最新作の2巻続きの完結編。主人公が男やもめの熟年男性に代わったが基本的に作品の傾向は「長い道」に近い感触。その中に普通人としての非常に洗練された人間関係のやりとりがさりげなく描かれている。この「日常のなかに最も奥深いものが含まれている」という点を提示する才能こそが、こうのマンガの真骨頂ではないかと思う。

またスタイルとして絵の動きそのものに内容を読ませるサイレント的作品も変わらずあるし、コミュニケーションの鮮やかさと言う点では、この作品のP.90〜92には唸らさられた。基本的に人間の性(さが)に善い点を見つけ出す才能の所産のような言葉のやり取りだ。特に91ページ下段のサンドペーパーに見立てた会話は見事。また、実家に帰った息子の妻の心が美しい。

今作については作者のあとがきにむしろ軽い衝撃を受けたかもしれない。4年前にはスランプだったこと、そして「じじい」と呼ばれる人種が苦手だったとのこと。作者の中に過去から今に続く文化的美質を見る私には、むしろ「じじい」と呼ばれるような熟年から作者は強い影響を受けていると勝手に思っていた。スランプについては、ファンとしてひたすら同情したくなるということ(笑)。そんな時代もあったのですね。

主人公・参さんと結ばれそうな仙川さんが息子の詩郎の方にまだ気持ちがあるのかどうかは詮索しても詮無いことだろう。アクティヴな割りにはどこか寂しげな彼女がいずれにせよ一番安心感を持って対応できる男が参さんなのだろうから。独り身になった参さんに亡き妻が与えた女性なのかどうかも各自の想像の中に任せるのが良いのだろう。

最後に作者が一番自信が無い作品、とあとがきで叙述されているが、確かにほのぼのとした本来の持ち味に加えて、私は元来この人はもっとシリアスな人間模様を描く才に長けていると思うし、日本人が得意とした自然描写と絡めてその部分を展開できるのではと思う。つまり、ユーモアに拘泥しなくても良いのでは?とも思うのです。何にせよ今後の新しい、より深化された作品に期待します。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By チエベ@いながめ VINE™ メンバー
気がつけば、「ぴっぴら帳」「長い道」「夕凪の街桜の国」

そして「さんさん録」が本棚に並んでいます。

どれが最初だったのかな? 

絵としては「かわいい!」とか「リアル!」と思えるモノじゃないし、

マイブームの4コマ漫画みたいな

あからさまな笑いやシュールさがあるわけでもありません。

お話しの内容も、気軽なモノじゃないし、

そうかと言って、超大作とか ムッチャ重い物語かというと、

そうでもない気がします。(「夕凪の街桜の国」ですら・・・)

テレビで言えば、

トレンディドラマではけっしてないし、昼メロや渡鬼の類でもない。

映画でいっても、

クロサワとか、キタノやスピルバーグ、ジブリ作品でもない。

でも、何か・・・ナニカ惹きつけられるモノがあるんです。

強いて言えば、小津安二郎? 是方裕和? 昔の「中学生日記」?

「こうの史代作品」に描かれているのは、

ごくごく日常で、ごくごく身近な風景。

「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」に

代表される外向的な作品じゃなくて、

たとえば 同じ家族を扱いながらも、

日常の1シーンを切り出し朗らかに笑うのではなく、

自然と流れてしまう涙だったり、

突然さいなむ後悔だったり、

ホッとする安堵感からの笑いだったり、

そういう感情を描いているのだ、と思います。

たぶんそういう感情に惹きつけられるのかな、

とそんな感じがします。
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