こうの史代さんの作品はどちらかというと少し悲しい物が多く、それ以外では鳥や花が生活の中に出てくる作品ばかりだと思っていましたが、「さんさん禄」を読むと今までの作品とは全くちがう趣向で驚きました。でも作品の中に出てくる人物たちは「こうの史代」さんのいろいろな作品に出てくる登場人物の色を背負っていますね。でも今回の主人公は子供でも、鳥でも、戦後を引きずっている若者でもなく、もう人生の黄昏にある男性。でも人生の終わりに向かって行くのではなく、夢も希望もあってまるでこれから人生に旅立つ人の物語に見えて、私自身この作品から生きる楽しみをいただきました。