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さりながら [単行本]

フィリップ・フォレスト , 澤田 直
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,592 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

パリ、京都、東京、神戸。これら四都市をめぐり、三人の日本人──小林一茶、夏目漱石、写真家 山端庸介の人生に寄り添いつつ、喪失・記憶・創作について真摯に綴った〈私〉小説。

出版社からのコメント

喪失の世を生き延びるために----
 本書のタイトルは、小林一茶の有名な句からとられている----「露の世は 露の世ながら さりながら(この世は露のように儚く、虚しい。そうではあるのだが......)」
 幼い娘を小児癌で喪った<私>は、忘却と記憶の間を彷徨うようにパリ・京都・東京・神戸を旅する。本書は、これら四都市を巡る短い章に挟まれ、<私>が深い共感を覚える三名の日本人の肖像(それぞれ三十一の断章形式)が展開される、エッセーと小説の間をたゆたうような不思議な魅力を湛えた作品である。俳人一茶、作家漱石、そして原爆投下翌日の長崎に赴き現地の惨状を記録した写真家山端庸介----彼らの物語に通底するのは子どもの死を悼む風景だが(一茶と漱石はともにわが子を亡くし、山端は数え切れないほどの子どもたちの死を目撃している)、また同時に、死と狂気の狭間を生き延びる芸術家たちの生が活写されている。
 愛する対象を喪ってなお、人はどう生きながらえることができるのか? これら三人の人生に寄り添いながら、夢を漂うような穏やかで流麗な文章のなかで、<私>はこの苛烈で不可能な問いを反復しつづける。

登録情報

  • 単行本: 281ページ
  • 出版社: 白水社 (2008/10/31)
  • ISBN-10: 456009215X
  • ISBN-13: 978-4560092156
  • 発売日: 2008/10/31
  • 商品パッケージの寸法: 18.4 x 13.2 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 さりながら 2009/9/7
投稿者 rin
形式:単行本
表題の『さりながら』とは、一茶の句の「露の世は 露の世ながら さりながら」から取られたものです。
この世は儚い、と判っていても、それでも心残りになってしまう様々な思い。
著者は『永遠の子ども』で病魔に冒された娘を失う実話であまりにも有名になりすぎた人ですが、今作では娘の死による癒えない哀しみと喪失は作品の底流を流れる背景になるにとどめています(そのことがよりいっそう哀しみを深く透明なものにしています)。

パリ、東京、京都、神戸と都市を移動する物語と、一見何の繋がりもない一茶・漱石・山端庸介の人生を描くことで紡ぎだされるのは“喪失・記憶・創作”とありますが、言葉にするのは難しく、ただもう凄いとしか言いようがありません。
喪失と無の中で二度とは再生出来ないような深い絶望に囚われても、人は時の中でかすかな希望のようなものをどうしても見出さずにはいられないのだなぁ…というのが個人的な感想です。

素晴らしい本ですが、私小説や日記文学を好まない人にはあまりおすすめしません。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 引き裂かれた友情の合図 2010/3/12
投稿者 香桑 VINE メンバー
形式:単行本|Amazonで購入
作者は、パリから始まり、京都、東京、神戸と巡る。
小林一茶、夏目漱石、山端庸介の人生を巡る。
翻訳の日本語が端正で、もとから日本語で書かれたもののような肌触りと、しかし、日本人らしからぬ思考の流れとセンスとで、読んでいる私が迷子になる。
これは、下手な分析や解釈を拒む小説だ。読んで、味わえ。ただ感じるしかない。

作者がどの瞬間にも喪失し続けている愛娘の、その死へのまなざしに、繰り返し、繰り返し、繰り返し、さらされる。
大事な人を失ったのに、それでもまだ自分は生きている。死んだ人がいるのに、自分は生き延びてしまった。その人を救えなかった。生きているという罪責感は他者を失くした喪失感と一体である。しかも、その大事な死の記憶でさえ、人は忘却する。いかにして愛する記憶を保つべきか。
死について、特に近代から現代の死について、個人的な死について、思いを馳せる人に勧めたい。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 センチメンタリズムの行方 2010/1/2
投稿者 phiromumi
形式:単行本
非常にセンチメンタルな私小説です。
4歳の娘を骨肉腫でなくし、打ちひしがれて日本を旅する作者であるフランス人が、日本の文化や文学の中で、自分を建て直しそうとします。
悲しみの中で私たちが見る思い出は、悲しく、救いのないように見えます。
悲しくて仕方なくて、何をしてもただ単に疲れてしまう。
自分の場所はどこの世界にもなく、自分の存在意義さえ失ってしまう。
その中で追い求めているものはいったい何なのか。
悲しみを単純に定義できませんが、この作品の中の悲しみははっきりとした理由をもち、そして、どうやっても救われないつらいものです。
そこから何を見るのか、そこからどこへ行くのか。
答えは出ませんが、私たちに何かを考えされてくれます。

露の世は 露の世ながら さりながら

この小林一茶の句を心の底から理解できるようになります。
つらくて仕方ないですが、心をつかまれて仕方ない私小説です。
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5つ星のうち 4.0 切ないです。。 2011/4/30
投稿者 バスケ好き VINE メンバー
形式:単行本
日本文学で言うところのいわゆる私小説であるのだが、ひとしおこの著作は、読者が自分と対話する
という意味合いで個人的には響いた一冊。本書の内容は、説明欄や他の人のレビューにゆずるとして、

最愛のものを失った喪失感は、とてもとても深く大きくて、命あるものは必ず死を迎えるのだ
という常識や生老病死の悟りなど、いかばかりも役に立たない。それが「さりながら」の一句
に凝縮している。

また、人生は地獄の上の花見との一茶の句にも記されるがごとく、「喜怒哀楽」を抱えて限りの
ある命を一日一日と過ごして行くことが、生きている自分には、とても大切なことなのだと思った。
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7 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 難しいです。 2009/5/28
形式:単行本|Amazonで購入
週刊ブックレビューで取り上げられていたと思うのですが。。。
散文的で、エンターテイメントが好きな私には、ちょっと厳しいです。
ながくないので、すぐ読めてしまうのですが。
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