レビューがあまりの高評価だったのと『雑司ヶ谷』というなんともミステリアスな地名に魅かれて
久しぶりにわくわくしながら読んだ一冊。
結果は 期待裏切らず!
(特別専用機で)空港に降り立った主人公の登場場面からもう一気に引きずり込まれます。
『雑司ヶ谷の女帝』泰、そのプリンスとして育った物語の主人公、太郎ちゃん。
設定は物々しく大がかりで、それでいて、ひょっとして秘かに実在するんじゃないか...と思わせる。
東京の田舎>猥雑と歴史がない交ぜになった町の不思議な匂いは
この土地に生まれ育った作者の手によってとてもセンスよく描かれていて
ハードボイルド&バイオレンス小説とオビにはあるが禍々しさは感じない。
作者の元編集者という前歴は、作中様々な手中の駒を軽々と使い分けながらも
けっして勢いで走り抜けることのない抑制の利いた文章が
ともすれば暑苦しくなりがちなこの手の小説をスッキリとしたものに仕上げている。
特筆すべきはセックス・シーン...
かなりハードながらどこか可笑しみを覚えさせる独特な感覚は、そのまま作品全体にも通じて象徴的。