文豪との出会いの青春時代からバブル絶頂の銀行員時代。
そして社会問題となった総会屋事件の渦の中でもがく主人公の半生を描いた小説です。
何より経験した著者本人が綴ったものだけに銀行の裏側、
問題の本質を抉り出して展開されるストーリーは読み応えがあります。
フィクションかノンフィクションかの論点なんかよりも、
泣き虫だけどあまりにもまっすぐ過ぎる主人公・上杉健が
一流の銀行員へと成長していくストーリーは、
サラリーマンの目に輝かしく映り、清々しい気持ちにさせられます。
この小説を読んだあとはきっと自らの恐れを知らない若かりし頃の活躍や
自身にとって一世一代の大一番勝負に出たときの武勇伝を思い起こし、
今一度そんな生き方をしたいと思わせられることでしょう。
組織のしがらみや周りの目を気にせず、堂々と信念の通りに生きたい。
そんな力強い気持ちになれる、元気の出る小説です。