本のタイトル、副題はマスマーケットを狙ったチープな感じがしてしまうが、内容は濃く、300ページ弱の本だが様々な問題が要点が整理されておりとても勉強になる。著者の考えは極めて論理的かつ明白で反論すべきところは全くと言っていいほどない。しかしその当たり前の考えを実行しようとすると官僚からの強烈な抵抗にあう。いかに財務省を初めとした官僚が浮世離れした存在かがこれでもかと言うくらいに描かれている。
著者は最近の政治論争を「小さな政府」志向と「大きな政府」志向のせめぎあいの観点で見るとわかりやすいと大きななフレームワークを提供してくれている。資本主義と社会主義のせめぎあいと言ってもよいと思うが、経産省の北畑事務次官のような話を聞いていると官僚は概して経済の仕組み自体を理解していないがために結果的に大きな政府志向になっていくのではと思えてくる。これも経済、数字に弱い法学部卒の学生ばかり採用している弊害だろう。そもそもなぜ官庁は法学部の人間をここまで採りたがるのか今でもずっと自分の中では謎である。国家の戦略的な部分を仮に官僚が決めるとしても(本来は選挙の洗礼をうけた政治家であるべきだが)、経済、経営を理解している人が決めるべきで法学専門の人には残りのテクニカルな部分をやらせればいいのにと単純に思ってしまう。
それにしてもこの本に書かれてあることは大新聞・テレビを見ているだけでは決して見えてこない。改めてマスコミの低レベルさ、官僚との癒着度合いにあきれてしまう。