映画は別物。
キャラクターもストーリも違う。
原作の評判が良かったので、其の映像化なのかと思ったら大間違いだった。
特に、主人公ジェイクの恋人レーナ。
原作に出てくる他のキャラクターまで演じさせ、全く別のキャラクターになってしまっている。(しかし、其処に「ベルリン終戦日記」に描かれた様な、其の当時のドイツの女性の姿を見る事は出来る。)
多彩な脇役陣の人間模様、戦争終結直前直後の様々な悲劇、これらが渾然一体となる事によって、この小説がより魅力的なものに仕立て上げられているにも拘らず、映画はそれらを殆ど切り捨てて、新たな「カサブランカ」を作る為に、使えそうなエピソードを断片的に拾い上げ再構築してしまった。当然、其処には原作の魅力は失われてしまっているであろう事は、想像するに難くはないだろう。
原作を忠実に映像化した物が、全て面白い作品になるわけではないし、映像化出来ない、あるいは、しない方が良いシーンもある事は判るが、原作もキャスティングも良かったのに、とても残念だ。
だが、製作サイドからすると、ジョゼフ・キャノンの原作が、新たな「カサブランカ」のイメージ通りだったと言う事かも知れない。
見所は、モノクロームの美しい映像と、音楽。そして、キャラクター達の話す言語。