現在のデフレ不況を脱却し、国家財政リテラシーを身に付けるのに最適な本だ。国家財政を家計に例えるのは誤り。せめて企業会計に例えて欲しいものだ。
しかし国家は永続するし、通貨発行権もある。通貨発行でさえ、お札を刷ることなく、日銀の預金準備を増やすという会計上の操作だけで済んでしまう事を初めて知った。財務大臣も多分知らないのではないか。
通貨や国家の役割という根元的な問いにも言及しつつ、データの裏付けを元に、政府支出の増加と名目GDPの増加に明らかな関係性があることを示している。財政再建・構造改革路線では国民は幸せになれない。
現在のデフレ不況の対策は、政府支出の拡大なのだ。国家の赤字は国民の黒字。日本は財政再建路線に転じてから明らかに経済成長が止まったのだ。需要不足によるデフレ対策は政府支出の拡大であり、将来の少子化に際に予想される供給不足に対応すべきとの国家論にも胸打たれる。極端な話、財政赤字は国家の存在理由だ!
世界では政府の借金が増え続ける方が普通なのだ。それ以上に経済成長すれば問題なし。財政破綻した国は、直前まで国家財政が黒字だった事実に、読者は衝撃を受けるだろう。