久米田康治という、報われない漫画家がおります。
彼は週刊少年サンデーにおいて、単行本にして20巻以上に渡る長期連載を二度も行い、
約15年に渡ってサンデーの屋台骨を支えてきたにも関わらず、
その作品は一度もアニメ化されることはなく、小学館漫画賞もノミネート止まり。
最終的には前作「かってに改蔵」打ち切りの後失意の内にサンデーを後にし、
マガジンに拾ってもらってこの最新作「さよなら絶望先生」を細々と描き始めたのでした。
しかしその「さよなら絶望先生」が先日遂に講談社漫画賞を受賞、
そして実に17年越しの悲願であったアニメ化も達成。
絶望に打ちひしがれていた漫画家に振って湧いた希望の光。
この作品は、そんな彼への手向けの花束としてだけでも買う価値がある。
んですが、それだけじゃないんです。単純に出来がものすごく良いのです。
画面一杯に情報を詰め込み、なおかつ整理された画面構成でスタイリッシュに魅せる
久米田先生の手法と、巧みな色遣いやカット割り、そして黒板の小ネタなどで
独自の世界観を追求する新房監督の手法が見事なケミストリーを見せ、
アニメ表現の最先端を行く映像美が構築されています。
そして主人公・糸色望のどこまでもネガティブな視点と、ヒロイン・風浦可符香の
どこまでもポジティブな視点の両面から鋭く世相を風刺する独自の作風。
好き嫌いは分かれますが、ハマればどこまでも深くのめり込めること必至。
ついでに、何気に可愛コちゃんも盛りだくさん。萌えを重視するあなたも大満足。
絶望と希望、そしてシャフトの本気が見えるこの作品、間違いなく買いですよ。