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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
あまりすっきりしない読後感,
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レビュー対象商品: さよなら渓谷 (単行本)
すでに他の人の書評を読んでしまった後に読み始めたので、「尾崎俊介」と「かなこ」の関係については、最初からわかっていた。 むしろ、なぜそうなっていくのか、その描写に期待を込めて読んだといってもいい。 人間の業の深さをえぐりだすような作品なのかどうか。 どういう状況で、そんな選択をすると作者は考えるのだろうか? 女性読者としてはすっきりしない読後感だ。 はっきり言って、それほどの深みのある作品ではなかった。 読んだ後にかなり強い「もやもや感」があって、 それを「考えさせられる作品」と表現してもよいのだが、納得がいかないところも多い。 登場人物たちは皆よどんで暑苦しくやりきれない雰囲気を出していて、 さわやかな渓谷の風景描写と対照的なのが、いいのか悪いのか。 変に心に残って「こんな温泉地はいいなぁ」とか思ってしまう。 最後の「かなこ」の行動と俊介の気持ちなどは、「静かな爆弾」と同じで、 描ききることを避けてしまった作者の「逃げ」という気もする。 記者の渡辺の心情をもうちょっと掘り下げて、 男性特有の心理をあぶりだしてくれたら良かったと思う。
16 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
「悪人」には感動できたのに…,
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レビュー対象商品: さよなら渓谷 (単行本)
『悪人』には、魂を揺さぶられたので、皆さんのレビューを見て、楽しみにして読みました。『悪人』に感動できた方の中で、『悪人』以上と評する方と、私のように「うーん」と思ってしまう読者とが出てしまうのはなぜでしょうね。気になります。私には、「幼児殺害事件」という際物題材を添え物にして、ショッキングな設定の男女を描いた作品にしか見えませんでした。そのショッキングな設定の男女というのも、共感できずに終わってしまいました。この設定がなんとか読者の中で納まりがつくように様々な工夫をしているのはわかるのですが……。 「不幸になるために一緒にいる」と言う一方で、二人が肉体関係を持っているのも分かりません。この二人は、最も肉体関係を結びえない関係のように思えます。もしくは、肉体関係があるのであれば、そのときの心理の拒絶・許容、肉体の拒絶・許容、そのあたりをもっと濃密に描写しきってほしかったです。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
誰かと話し合いたくなる作品,
By ももカルピス (千葉県八千代市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: さよなら渓谷 (単行本)
このレビューには賛否両論あるようですが、私は個人的にはすごく好きです。『悪人』のときもそうでしたが、主人公達の「心の叫び」が文章から滲みでていて、自分の心の奥をふるふると揺さぶられます。 主人公ふたりが一緒に暮らしているという状況に、普通は違和感を感じてしまうのでしょうが、思わず「そんなこともあるかもしれない」と読者に思わせてしまう文章力は、さすがの一言に尽きると思います。 この二人の関係を、果たして「愛」と呼べるのかということについては議論が分かれるだろうと思います。私は単純な恋愛関係や、罪悪意識、利害関係を超えたところにある、ふたりの強い「絆」を感じました。それを「愛」の一言で表現してしまっていいのか、今でもまだ答えは出ていません。 また俊介の献身的な姿、かなこの揺れる心があまりに切なく、悲しく、涙がとまりませんでした。 いずれにしても、この本を読んだ人とこの本についてたくさん議論したくなる、そんな作品だと思います。
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