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さよなら妖精 (創元推理文庫)
 
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さよなら妖精 (創元推理文庫) [文庫]

米澤 穂信
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに――。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。

--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに―。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 362ページ
  • 出版社: 東京創元社 (2006/6/10)
  • ISBN-10: 4488451039
  • ISBN-13: 978-4488451035
  • 発売日: 2006/6/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
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22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ポロロッカ トップ500レビュアー
形式:文庫
日本の高校生たちが普通の町で偶然に出会った外国からの少女.
この少女がどこから来た(帰った)かというのが謎になっていて,
帰国後,その中の少年の日記を辿るかたちで物語は進んでいきます.

これだけだと『日常の謎』のような作品かと思いがちですが,
大半がこの少女と出会った少年たちのやり取りに割かれていて,
ミステリというよりも青春小説の要素が強いように感じます.

そして謎である少女の行方が解き明かされていくわけですが,
ここは,少女と過ごした思い出や会話からの言葉が次々とつながり,
まるでパズルが完成していくような気持ちよさがあります.

しかしその結論,そしてさらに明らかになる事実には,
ある程度予想できたとはいえ,なんとも言えない気持ちに.

また,クールで無愛想だった仲間の本当の気持ちと,
この短い出会いをきっかけにひと回り成長した少年の姿,
哀しいのですが,まさに青春ですがすがしい気持ちです.

どうぞじっくりと,思いを巡らせて読んでみてください.

余談ですが,少女が日本の習慣に戸惑うところが,
『日常の謎』としていくつか盛り込まれているのですが,
こちらについてはむずかしめというか少し期待はずれでした….
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By z6520
形式:文庫
 作者の出世作、というだけあって、優れた短編のようなスッキリした後味を残す佳作。父の仕事の関係で、短期に日本に滞在することになったという、ユーゴスラビアから来た少女、マーヤ。彼女と主人公達の触れ合いを描くのが本作だが、それは回想として語られるのであって、現在はマーヤは帰国し、そしてユーゴスラビアは内紛状態にある。彼女を心配した主人公達は、幾つかの共和国として成り立つユーゴスラビアの、どの国に彼女がいるのかを突き止めるために、彼女の過去の言動を日記から拾い出して推理しようという、表面的にはそういう進行となっている。この物語構造だけでも充分に斬新であり、同時に、消息を心配する友人として、たったそれだけのことしかできないもどかしさ、すなわち、マーヤがどの国に帰ったのかを突き止めると言っても、それがわかったからどうだというのか? それでも何かせずにはいられない、というメンタリティが作者独特の雰囲気を生み出しているといえる。要するに、青臭いのだ。物語の結末として、彼女は危険を承知の上で帰国したのであり、彼女の覚悟に対して主人公達は、あまりに子供であったことを突きつけられるしかないのである。これはそんな、細かい日常の謎に触れるミステリでありながらも、遠い国の少女を想う、青春小説である。
このレビューは参考になりましたか?
27 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By zero0
形式:単行本
突然現れた異国の少女。
二ヶ月の間、彼女と共に過ごした時間を回想し残された謎と心に残った思いを探るミステリー。
殺人も、密室も、世界も、日常の不可思議な謎も出てこない、それでも立派なミステリーだ。パズラーや推理物や、謎解きが好きなミステリー好きにはお奨めできないかもしれないが、小説、物語が好きな人に読んで欲しい、愛おしい本だ。

東欧と言う未知の土地から現れた少女の好奇心に触れ、日常に一瞬ふいた新しい風のせいで、不安定で未成熟な自分に言葉にならない焦燥感を抱く主人公の少年の心情には、深く共感できる。彼が傷つきながら、同時に周囲の仲間逹を傷つけながら少しだけ成長の一歩を踏み出すさまには、胸が切なくなる。

主人公の何者でもない自分の現状への焦りに風穴を開ける少女の、なんと禀とした事よ。十代の後半にこうした存在と出会いたかった。この物語にも、あの時出会いたかった。

ミステリーであると同時にこの物語は、三つの恋のようなものの物語だと思う。主人公と行動を共にするクールな長い黒髪の少女のキャラクターの魅力は、それだけでのこの本の価値だと言える。

そして最後になって伝わってくる彼女の心情は、主人公の気持ちとは別にゆっくりと鋭く心に染み込んでくる。彼女の想いを知り、改めて胸が苦しいほどに切なくなる。クールな彼女の想いが行動が、愛おしく感じる。
上質な物語だ。

静かに切ない気持ちにさせてくれる。そして切ないだけではなくて、一歩踏み出さなければならなかった少年の、幽かな希望に明日があるんだと、つらいけれど明日も生きていこうという想いを与えてくれる。
ミステリーとしてではなく、物語としてお奨めする。

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