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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
音楽の魔力、言葉にのせて。,
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レビュー対象商品: さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫) (文庫)
4巻にて完結を迎えたさよならピアノソナタ。
このencore piecesでは後日談および、本編で語られなかった空白の部分が描かれています。 その中でもやはり、この巻でもっとも中心的な話であろう、 Sonate pour deux。 ここで語られるのは、ナオと真冬の結婚まで。 結婚、なんて言葉にするのは簡単な事です。 「はっきりいって、めんどくさい」 ナオは作中、結婚についてこう述べている場面があります。 しかし、一つのピアノソナタに触れるにつれ、 プロポーズを決意するナオ。 たった一つの楽曲。 そこに込められた人の想い、それこそが音楽の魔力。 音楽の持つ、人ののせた想い、それが人を成長させる。 そんな音楽の魔力を、主人公を通し、言葉にのせてしまう杉井先生に脱帽です。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
いつか再び、違うかたちで出会うまで,
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レビュー対象商品: さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫) (文庫)
アンコールなので、盛り上がった熱をいや増すように、あるいは穏やかに冷まして日常に戻すかのように、メインキャラクターたちを主役とする小品が5編まとめられている。
真冬と直巳の結婚と絡めた、音楽家の愛の証にまつわる話や、神楽坂の情熱の火が灯された瞬間の話も良いのだけれど、ここはあえて、千晶とユーリの話にふれたい。 ベースとドラムスはリズムセクションであり、バンドを疾走せる原動力でもあるらしい。そしてその片足である直巳がいなくなってからも、千晶は変わらずリズムを刻み続けて来た。 一見すると千晶の話は、フェケテリコの新人ベーシスト橘花をメインとする話にも見える。でもこう考えると、何があってもひたむきに進み続け、傍らにある者へ前に進む力を与えられる千晶の凄さを表している話なのかも、と思った。 ユーリは人を惑わすいたずら好きの妖精みたいな感じで、どこまで本気なのかよく分からないように感じる部分もあったけれど、少なくとも音楽に関しては本気なのだなと思った。自分の気の赴くままに演奏しているようでありながら、本当は何を求めているかよく分からない。 そんな彼を導く恩師、ルビンシテイン教授の存在はたぶん大きい。この教授は、たった2回、それも手紙という古き良き意思疎通媒体でしか登場しないのだけれど、その率直な語り口は、彼を負のループから救い出す一助になったことだろう。 でもやっぱり演奏は、特定の誰かに向けたものも良いけれど、万人に向けて供される方がうれしいな。だってその誰かにボクがなることはなさそうだから。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
音楽小説の一つの到達点,
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レビュー対象商品: さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫) (文庫)
読み終わってしまうのが寂しい、という気持ちを、まさかシリーズで二度も味わわされるとは思っていませんでした!
完結から一年、出るわけないだろうと思っていたタイミングで発売された短編集です。アニメ化されたような人気シリーズならば、完結後に読者サービス的な意味合いの短編集が出るのが常道なのですが、この"encore pieces"はそういった軽い位置づけのものではありません。読んでいただければわかるでしょう、「さよならピアノソナタ」シリーズの正統な完結編であり、また、断言してしまいますが作者の最高傑作です。 それにしても、短編集に帯する「珠玉の」という常套句がこれほどまでにふさわしい一冊はないのではないでしょうか。ナオ、真冬、千晶、ユーリ、神楽坂先輩、過去から未来に至るまで読者が読みたいと切に願っていた様々なエピソードを絶妙な切り取り方で見せる手腕には感嘆してしまいます。特にすごいのが第二話「翼に名前がないなら」です。千晶の話に相当する一編なのですが、なんとここにきて新キャラ登場で主人公を任せ、外側からフェケテリコを描くという手を使ってくるのです。ナオを一度も登場させないまま存在感を高める見事な描き方です。 また、短編の並べ方も秀逸です。作者はあとがきで茶化していますが、だんだんと過去に遡っていくこの構成はおそらく狙って書いたものでしょう。最も重たく哀しい神楽坂先輩の過去エピソードの後に、わずか十数ページの哲朗の掌編が置かれて、このシリーズは正真正銘の完結を迎えます。他のどんな並べ方をしても、ここまで胸に残る読後感は醸し出せなかったのではないかと思います。 正直なところ、この巻は「さよならピアノソナタ5」とナンバリングしてもまったく違和感のない一冊です。蛇足な短編集であることを警戒して四巻でやめている読者もいるのではないでしょうか。しかし読めば読むほど、「アンコール曲集」というタイトルはこの一冊にぴったりで、悩ましいところです。 繰り返しますが、この一冊で本当に完結です。ぜひ読むことをおすすめします。
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