池田さんのソクラテスシリーズ第3弾、そして完結編です。
やはり哲学者ソクラテスと、その妻であるクサンチッペの対話で時事問題を哲学的に斬るシリーズです。
で、今回扱う問題は渡辺さんの「失楽園」(読んでないけど凄いらしいですね...)、「家族」、「オリンピック」、「脳内革命」(これも凄い本らしいですね...)、そして相手をクサンチッペではなく、その他に求めた「愛国心」、「インターネット」、「投票率」、「介護」などなどです。
とても大きな問題から、日常のささやかな問題、果てはちょっと下世話な問題にまで、ソクラテスとその相手が語り合い、「無知の知」を、哲学的な物事の捉え方を、面白おかしく分からせてくれます。ソクラテスの問いかけがいちいちごもっともで、なおかつその問題提起に対しての代案は、「おのおのが考えよ」という姿勢がバッサリ感を伴って心地よいです。特に「無知の知」を理解することはとても重要ですし、各個人が考えることの重要性も理解出来ますし、面白いかったです。中でも「愛国心」、「投票率」、「オリンピック」などについてが、私にはとても面白く感じました。ただ、少し考えたことのある方ならある意味当たり前のことでもあると思いますが。
それでも、代案を示すことも、ただの批判者になるよりは有効なことでもある、と私は考えます。やはり社会に生きる以上は社会を構成していくことになるわけですし、今から哲学者になって生活する覚悟はなかなか無いですし。しかし、1度は突き詰めて考えてみたことがあるのか、ないのか、は非常に重要なことであると思います。ルールは破れる、しかしあえて破らないことの重要性みたいなものを考えてしまいました。
特に秀逸であったのは最後の最後に「ソクラテスの弁明」と題した最終回(?)と思われる回と、その後におまけのようにある、著者池田さんと思われる池田某との対話「ソクラテス、著者と語る」です。
ここまでこのシリーズを読んできて、このソクラテスの考え方の基本となっている(と、私が勝手に思っている)「無知の知」を通すことで得られる何かの価値を知り、著者池田さんとの対話でこの『対話』の形式の凄さをつまびらかにしてくれます。
哲学に傾倒するのは結構怖いことなのかも知れませんね。何事もほどほどに、ということなのでしょうか?しかし池田さんとソクラテスは突き抜けてますし、突き抜けていつつ、社会生活を送った池田さんは凄いです。
やはり考えるのが好きな方にオススメ致します。