シリーズの3作目.
前巻の『卒業式編』からの続きとなっています.
前巻では時系列が入り乱れ,物語よりもトリックなどの方が目立った印象を受けましたが,
こちらでは時間の流れは普通に,事件もややもすれば稚拙に思えるほどシンプルに進みます.
しかし大きく転換する中盤以降,
前巻でのいろいろが収束されていく様子はなかなかで,
中でも,断片的でわかりづらかった『小さな仕掛け』がスッと本編へと吸い込まれて行き,
明らかになる物語の『真相』は,全く予想のつかないものだっただけに素直に驚かされます.
ただ,余分なところが多く肝心なところは足りないなど,粗さが多いのは相変わらずで,
回りくどい言い回しやイメージの湧きづらい状況描写にはたびたびストレスを感じました.
ほかにも,興の削がれる注釈やこれらの不満が凝縮されたかのようなあとがきはどうにも….
また,卒業式から新学期と大きな節目で分けてはいるものの,その効果は今ひとつのようで,
これが1冊になっていたら,作品もあの『小さな仕掛け』ももっと楽しめたのではと思います.
あと,作品には直接関係ないのですが誤植が多すぎます.(2009年8月28日付の初版で確認)