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69 人中、62人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
清水訳『さらば愛しき女よ』の良さを再認識させられました,
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レビュー対象商品: さよなら、愛しい人 (単行本)
文庫の清水版とハードカバーの本書がほぼ同じページ数。『ロング・グッドバイ』の時も驚いたけど、『さよなら、愛しい人』でも、前は省略されていたのを読んで感動していたんだ…という気持ちになりましたけど、今回はどちらかというと「清水さんが省略したくなるのもわかるわな」と思いました。
というのも、マーロウが行動を起こすたびに、細かな人物、風景描写が必ず付くんです。それによって物語の流れがプッツン、プッツン途切れてしまう。 どっちの読書体験の方が、より物語に入り込めるかといわれれば、清水訳の『さらば愛しき女よ』でしょうかね(タイトルもさすが映画屋さんだけあって清水さんの方がいいし…というか日本の翻訳小説全体の中でも『さらば愛しき女よ』は素晴らしいタイトルに入るでしょ)。 村上さんも役者あとがきで《「ここまでややこしく書かなくてもいいだろうに」とついつい愚痴も言いたくなる》と書いていますが、とにかく村上訳で初めて全貌が見えたチャンドラーの作品の細かな描写には驚かされます。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
文体を意識すると至福の読書時間を過ごすことができます。,
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レビュー対象商品: さよなら、愛しい人 (単行本)
チャンドラーは比喩の使い方がとても上手く,本作においても比喩を多用することで
人物や風景の描写,匂いや音が生々しく感じることができます。 今回は文体を,特に比喩の使い方を意識して再読し,気に入ったいくつかの比喩を上げてみたい と思います。 「自由の女神像を初めて見たヨーロッパからの移民みたいに」うっとりとした表情 「エンジェルケーキに乗ったタランチュラみたいに人目をひく」服装 「ベッドに行くのを拒否する強情な子どもたちのように,端っこにしがみついて咲いていた」野生の花 「古い城にある,九百年くらい昔に掘られた井戸」のように深い瞳 「サーカスの呼び込みのような愛らしい」声 「ワルツを踊っている二匹のネズミみたい」にふらふらする身体 などなど,数え切れないほどの比喩の数(比喩が使われていないページの方が少ないくらい)で,それが実に生き生きとしています。 清水版で物語りの面白さに酔った方も,本書を再読することで,絶妙な文体を味わうことができます。
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
タイトルは実は正解かもしれない,
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レビュー対象商品: さよなら、愛しい人 (単行本)
プロットはすでに非常に有名なものですし、翻訳は、読みやすくスッキリしております。
タイトルについて申し上げさせていただきますと、過去の清水氏の「さらば、愛しき人よ」は 一つの作品のタイトルとしてだけとらえれば他に比肩するモノがないほど美しく、すばらしいものです。 誰もが忘れられないタイトルで、私が頭に描いているハードボイルドのイメージそのものです。 しかし、「Farewell、Mylovely」と語るのが誰なのかを考えると、村上氏の訳の方が、俗な響きと甘さが同居しており、内容に沿っているのではないかとも思っています。 確かに、細かくみていくと、疑問を感じる部分もありますが、もはや社会的に定番となっているタイトルについて、このように考え直す機会ができたこと、書店に古典ハードボイルドが平積みされる機会を与えてくれたことを評価して星5つで行きたいと思います。
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