アントニオーニの初期の大傑作で今観ても全く色褪せていない名作中の名作。
北イタリアの町に住んでいるアルドは、長年不倫関係を続けているイルマの夫が亡くなったことを契機に、満を持して結婚しようともちかけるが、にべもなく断られる。理由は彼女に新しい男ができたということらしいが、よくわからない。突然奈落の底に突き落とされた彼は、絶望して幼い娘を連れて各地を放浪する。そして3人の女と関係を持つが、どの女ともちょっとしたことからすれ違いが生じて、別れざるを得ない。約1年後むなしく故郷に帰ってきた彼が見たものは・・・。そして彼の運命は・・・・。とあまりにも寂しくて悲しい映画。人生は謎です。不条理です。北イタリアの荒涼とした景色が物語をいっそう寂しくさせる。
初めて観たのは高校時代の地元のシネクラブでしたが、当時凄いショックを受けたものでした。その後なぜか人生の節目で観る機会が度々あって、そのたびに心が激しく動揺して、アントニオーニの映像表現の無限の可能性と奥深さにノックアウトされました。
人殺しとドンパチだけのノーテンキなハリウッド映画や、TVドラマに毛が生えただけの金太郎飴のような現在の邦画に食傷気味のあなた、この映画を観て人生を考え直してみてはいかがでしょうか?