昭和40年代のアニメは、現代だと「差別」とされる言葉が多く、今じゃテレビで再放送も難しくなったが、現代アニメからは到底学べない「優しさ」「厳しさ」「尊厳」と言った物をアピールできる作品が多く。本当に見終わった後「素晴らしい」と思える作品が多かった。そこでこの「さすらいの太陽」である。金持ちの娘と、貧しい境遇に育った主人公の娘が共に歌手を目指し、しのぎを削る作品だが、単なるサクセス・ドラマではなく、実は彼女達は生まれた時に金持ちに恨みを持つ、女にすりかえれたと言うサスペンス・ドラマでもある。主人公、峰のぞみ。どんな苦労にも、ライバルの香田美紀のいじめにも、またすりかえた看護婦、野原道子のストーカー行為にも負けず、歌に夢を託しのし上がっていき、そして栄光をつかむ。彼女の姿は、美しく、感動的だった。スポコンとはちがい、音楽根性物という異色の作品でもある。また、当時の色々な歌謡曲が流れ、音楽ファンにとってもたまらない。原作が名脚本家、藤川桂介と言うこともあって、ストーリーも深かった。私個人においては、全てにおいて素晴らしい作品。現代ではこんなに感動できる作品に巡り合うことは出来ない、とさえ思っている。