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伊井直行さんの小説は最近の新潮(雑誌)で知りました。
「青猫家転顛録」が面白かったので、いま少しずつ
絶版?品切れになったものを読んでいます。
いまの日本で会社という組織と無縁でいられるひとは
学校にいる年代を除けば、そう多くはないはずです。
(フリーターも増加しているけど)
けれど現代文学でそれらをモチーフに描かれたものは
さほど多くはない気がします。というかはっきりと
会社をテーマにしたものは少ないように思います。
が、これらの会社人生がそんなに悪いものでもない、
という気にさせられる、小説だなと思いました。
同時収録作の「パパの伝説」は、表題作とは
だいぶ趣は違いますし、主人公は失業させられてしまいますが、
会社の描き方が大変面白く、ストーリーも飽きさせず、
さりとてエンターテイメント小説とは違うおもしろさがあり、
もっとたくさんのひとに読まれても良いんじゃないかと思っています。
新潮での収録順が村上春樹さんの次になっていたせいもあるのですが、
どこか中年やサラリーマンを村上春樹が書いたらこんな感じじゃないかと思わせるストーリー運びのうまさがあるように思います。
もちろん良い意味で村上春樹さんの独特な文体に似ているわけでは
なく、伊井さん独自の小説だなと思います。
他の作家とそのように比較するのは失礼かと思いますが、
伊井さんの本がもっと読まれてもおかしくないのに、と
率直に思ったので、あえてこのような比較を致しました。
講談社文芸文庫で、復刊してほしい作家です。
「パパの伝説」怪人物のオッチャンと出会ったことにより、会社を辞めて彼と深くかかわっていくことになる主人公。彼の仕事は二つ。ひとつはオッチャンの娘の家庭教師、そしてもうひとつは…。父に似ない娘、加代子がチャキチャキしていてカンジが良い。そこへ、魔力のごとき魅力を持つ少女、牧子が登場し、どうなることかとワクワクして読んだのだが、なんとも唐突で理解しがたい展開を迎えてしまう。うーん、文学とは、かくもわかりにくいモノなのか…。私は純文学が鬼門のようだ。
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