この本は、「HSP:Highly Sensitive Personである」ということはどういうことか、ということについての説明からはじまる。
HSPに該当する読者が、自らの性格とこれまでの人生に対して、どのような捉え方をすればよいのか。そのことについての著者の提案が、それに続く内容だ。
はじめの章にHSPであるかどうかをチェックする質問項目のリストがある。私はこのリストの20項目中18項目が該当した。
著者は「非HSP」である人もこの本を読んで、HSPへの理解を深めることを望んでいる。だが実際、それは難しいのではないかと思う。この本の伝える最も強いメッセージは、「HSPであることは美点である(そのように考えよ)」ということだと思う。だから、「非HSP」が、内気でひきこもりがちな人間が自己正当化をしている、と読みとっても仕方がない。そもそもHSPであるということがどういうことか、直観的に理解できるのはHSPの特質そのものだろう。ある人がHSPを「ただの弱い人間のことでは」と思うとしたら、その人は非HSPなのであり、むしろ喜ぶべき事だ。だがこの本に描かれているような人間は実在する。「細かい事にとらわれ過ぎ、内向的、消極的だ」と言われ続け、そのような自己を乗り越えようと絶望的な努力をし、その結果絶望している人間は存在する。人間が多様であるというのはそういうことだ。自分が少し神経質で、過敏だと思う人は是非この本を読むと良いと思う。自分が「HSPではない」と思う人は、できればこの本を攻撃したりしないで欲しい。創造的だとか、感受性が豊かだとか評されるような活動が、苦痛にみちた人生の産物である、「ということもある」というぐらいに考えて欲しい。この本は、「敏感である」という困難な人生を生きる人間に、希望を与えてくれる数少ない本の一つだ。